2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

中国の色彩論 紫は「青と赤」か、それとも「黒と赤」か

古代ギリシャでは黒と白の混合に基づく色彩論が優勢だった。アリストテレスデモクリトスも、詳細は違えど、黒白の二元論という点では共通だったらしい。これをニュートンは、黒白の混色では灰色しかできないと批判したそうだ。 ところが、偽アリストテレス『…

ニュートンを肩に乗せた巨人

ケプラー理論をめぐる混沌 ケプラーの『新天文学』は、表題に偽りない、非常に新規な天文学を打ち立てました。彼はすでに名高い天文学者でしたから、この著作もそれなりの注意をひきまして、いくつかの要素は広く受け入れられました。しかし、多くの部分につ…

「状態」の集合はコンパクト?

「Alaogluの定理」というのがある。これは、 をノルムつきのベクトル空間としたとき、の閉球が、が与える弱位相についてコンパクト という主張である。これが時々量子基礎論の世界に漏れ聞こえてきて、「つまり、状態の集合はコンパクト集合なんだ!」という…

ケプラー『ルドルフ表』〜数値計算と理論の革新

「我,港を見る(Video portum)」惑星の軌道決定に生涯を捧げたケプラーが50才の頃,1623年に友人への書簡に書いた言葉.この後1627年に『ルドルフ表』といわれる著作で地動説の優位を確実にしました.彼が港を見るまでにどんな苦労があったのか?50才にし…

光は丸くなる? 光の直進性と影

光の直進性は当たり前か 近代光学の成立に大きく貢献したイブン・アル・ハイサム『光学』では、光の基本的な性質は全て実験や観察で確認をとっている(ことになっている)のだが、直進性についてもいく通りもの実験や観察をあげている。9世紀の「アラブの哲学…